読書

書評 『生き方 人間として一番大切なこと』

古い本ですが、『生き方 人間として一番大切なこと』を読みました。著者は稲盛和夫さん、京セラの創業者で有名な経営者です。

なぜ読んだのか?

読む前のメンタルマップ
  • なぜこの本を読もうと思ったか?
    • 家にあった
    • 最近は小手先のビジネス書でなく、哲学などに興味がある
  • この本から何を得たいのか?
    • 特になし、人生について少し考えたかった
  • 読んだ後、どういう状態になりたいのか?
    • 特になし

未読の本として、家にありました。

最近は小手先のビジネス書に飽きていて、もっと大きなテーマや哲学に興味を持っています。そんなときに本書を見つけて、今自分が読みたいものと一致すると思って読み見ました。

どんな本? どうだった? おすすめ?

評価は高いですが、万人受けする本ではないと思います。

本書の全体を通して「人間は何の為に生きるのか」というテーマについて書かれています。テーマにぶれはないですが、前半が哲学的、後半は宗教的な内容になっています。

宗教や哲学を読みたい、学びたいという人にはあっていると思いますが、ビジネス書を読みたいと思っている人が読むとミスマッチがあるかと思います。同じテーマですと、『七つの習慣』の方が一般的で読みやすいと思います。著者が仏門に入ったということもあり、本書はちょっと宗教色が強い気がします。

書籍内容

本書では、人間は何の為に生きるのかというテーマに対して、少しでも得を高めるためというのが答えになっています。7つの習慣の第2の習慣、「終わりを思い描くことから始める」と近しいものがあります。

また全体を通して、人として正しいことをしましょうと解かれており、これも7つの習慣のテーマである人格を高めましょうというものと同じようなことが書かれています。なので、読んでいてとてもためになりますし、感情移入もしやすいです。

また、「思考は現実化する」とも似たような、強く願えばその通りになるという主張も書かれています。

プロローグ

「私たちはいま、混迷を極め、先行きの見えない「不安の時代」を生きています。豊かなはずなのに心は満たされず、衣食足りているはずなのに礼節に乏しく、自由なはずなのにどこか閉塞感がある」

と冒頭に書かれていました。

2004年に出版された本ですが、2022年の今にも当てはまることです。20年近く経ち技術がどれだけ進化しても、社会情勢や人が感じることは変わらないなと思いました。

そういった意味では、本書はいかなる時代にも通じる人としての幹となることについて書かれています。なので読んでいて、古くささはまったく感じませんでした。

人生の公式

本書で最初から最後まで登場するのが、以下の人生の公式です。

人生・仕事の結果 = 考え方 × 熱意 × 能力

これはかけ算なので、どれが一つでも掛けていたら、ゼロとなり結果は出せないとのことです。さらに考え方に限り、マイナスがあり、以下に能力が優れていて熱意があろうとも、考え方が間違っていたり使い方を間違えたら、犯罪に染まってしまうとのことです。

エンジニアで言えば、ハッカーなどのがそうでしょう。以下に技術好きで技術力があろうとも、それを活かす領域を間違えればサイバー犯罪になります。

最近はジョブ型やリカレントなどが叫ばれており、社会全体が能力、スキルに傾聴しているように思います。しかし、熱意があり正しい考え方のもと、はじめてそのスキルが活かされるということを覚えておきたいと思います。

社用車のエピソード

社用車のエピソードがあり、いい話だと思いました。

営業部長が社用車を使い、同タイミングで役員が社用車を使おうとしてが使えなくて、役員が営業部長を叱ったとのことです。後日、社長である著者が、ただ帰るだけの役員より仕事で使う営業部長を優先するのは当然といういことで、役員をしかったというエピソードです。また、著者が奥さんにちょっとそこまでなら社用車に乗っていけばいいといったのを、奥さんが社用車に乗ることはできないと断ったのは良いエピソードだと思いました。

自分もこういうできた奥さんが欲しいなと思ったり😇

読書後のアクションは?

特になし