全般

好きなことをやり続ければ仕事になるは本当か

「好きなことをやり続けていれば、それが仕事になる!」

という意見を時折耳にします。ホリエモンも、遊びを極めればそれが仕事になる、というようなことをよくメルマガなどで言っています。

しかし、それは本当のことなのでしょうか?

今回はそのことについて、個人的な考えを述べたいと思います。

個人的な主張

私はこの考え、鵜呑みにするのは危険だと思います。

ケースバイケース、それは好きなことによります。当てはまるケースもあれば当てはまらないケースもあります。ですが当てはまらないケースのほうが多いように感じます。

テレビやYouTubeでは上手くいくケースばかりクローズアップされますが、その裏では仕事にならず結局は別の仕事で生活費をまかっている事例が多数あることでしょう。

好きなことをやれば仕事になると言われるようになった背景

好きなことをやっていれば仕事になる、遊びが仕事になる、こういう意見が世に浸透してきたのは、やはりYouTubeを筆頭としたSNSの流行が大きいでしょう。YouTubeに自分が好きなことをテーマにした動画をアップし続けて、それが収益になる。そういう事例が世に広まってきました。私も時々見ている、本の要約チャンネルなどもこの事例でしょう。動画のアップロード者は単純に本を読むことが好きなのだと思います。その読んだ内容をYouTubeでアウトプットして、それが収益につながっています。

この間、マツコの何かのテレビ番組で”あんバター”好きの女子が出ていました。正確な内容はあまり覚えていませんが、彼女はあんバターを1日1,2個のペースで1年半ぐらい食べ続けていたと思います。そのことがピックアップされ、彼女の知識や経験、案バターに対する情熱がテレビで取り上げられていました。

また最近の「激レアさんを連れてきた。」では、どこかのバンドマンが、自分で気に入った音を出したくてシンバルを作り続けていたら、それが世界中から注文が殺到してシンバル作りが仕事になったという事例がありました。

これらは、いずれも自分が好きなことをやっていたら、それが仕事になったという良いサンプルだと思います。これらも仕事につながった背景としては、自分が好きなこと、やってきたことをYouTubeなどのSNSで公開し続けていたからです。

好きでやり続けても、仕事にならないケース

こういった事例を見ると、確かに何でも仕事につながるような気がしてきます。では、仕事にならないものには、どういったものがあるのか。いくつかのケースに分けて考えて見ました。

需給バランス崩壊 供給過多パターン

仕事にならない最たるものは、受給バランス崩壊の供給過多パターンです。レッドオーシャンと言い換えてもいいかもしれません。

例えばラーメンを食べるのが好きな人がいたとしましょう。その人は、いろいろなラーメンを食べ続けていれば、それが仕事になるでしょうか。その可能性はほとんどないでしょう。というのも、ラーメンのレビューやデータ提供をしている人は沢山います。すでに成熟した市場でレッドオーシャンです。今から参入しても仕事に繋がることはないでしょう。

もっと極端な例を言うと、野球とか小説家とか、いわゆるトッププロだけが活躍できる分野もそうでしょう。野球をやるのが好きという理由で野球をやり続けて、それが仕事になる可能性は低いです。小説を書くのが好きでそれをやり続けても、プロの小説家として仕事が成立する人はわずかでしょう。

つまり、自分は好きだけど、それを仕事にしたい人は無数にいる、ライバルが多すぎる。こういう場合は、仕事としてやっていける人はトップ数%の人だけです。

コンテンツを消費するだけパターン

自分の好きなことが、ただのコンテンツを消費するだけのパターンも仕事になる可能性は低いでしょう。

例えば映画やドラマを見るのが好きな場合、それだけをやり続けても仕事にはなりません。評論するとかそれを見ているリアクション動画をあげるとかで、収益に結びつけるルートもなくはありませんが、需要はそれほどなく誰にでもできるので、これも上記の供給過多パターンにつながっていきます。仕事には結びつくことはほぼありません。

ゲームが好きで仕事にしたいというケースもこのパターンです。例えばRPGが好きでそれをしているだけの場合、これは製作者の意図したコンテンツを消費しているだけです。これを活かした仕事となると、ゲーム実況ぐらいですが、やはり需要にたいして参入障壁の低さという問題があります。仕事としてやっていくのは茨の道と言わざる得ません。

ゲームで言えば、Eスポーツに分類される分野もあるのですが、これは前述のトッププロだけが活躍できるケースに類されます。やはり好きという理由だけは、仕事になりません。

仕事になるケース

では逆に仕事になるのは、どういったものがあるのでしょうか。

潜在需要があるニッチ分野

それは潜在需要があるニッチ分野です。ブルーオーシャンと言い換えることもできます。

冒頭に列挙したサンプルのあんバターやシンバル作成の事例はこのケースになります。しかし、このケースでも一時的な仕事にしかならないパターンと、永続な仕事になるパターンがあるので注意が必要です。今回の例で言えば、あんバターの事例は、一時的なもの、ただの流行りで終わるパターンでしょう。シンバル作成は永続な仕事になるパターンです。

ほとんどの場合は、一時的なものになります。これは潜在需要があったことには間違いないのですが、単なる流行で普遍的な需要とは言えないケースです。商品やサービスを生業とした事業と同じで、絶えず改善、変化を求められます。仕事としてやっていくなら、その覚悟が必要でしょう。

永続な仕事の場合は、職人的な要素があって、その人にしかできな圧倒的なクオリティや大量生産などといった特徴があります。もともとニッチ分野の上に、参入障壁も高くなるので、その人の独壇場となるでしょう。

いずれのケースにせよ、このニッチ分野で仕事になった場合、そもそも仕事になると思ってやっていなかったという特徴があります。本当に好きでやっていただけで、世に需要があるとは思っていなかったものが、実は潜在需要があって、たまたま仕事になったというケースが大半でしょう。

いずれ仕事になるとという下心を持ってやった場合、それはもう好きなことというよりは、ただのアイデア事業です。情熱やモチベーションも本当に好きでやっている人にはかなわないので、成功する可能性は低いと思います。

普通に既存の仕事として需要があるもの

このケースの例は、例えばプログラミングなどがあります。プログラミングが好きなら、それはやり続けていれば仕事になります。というか、すぐにでも仕事になります。

まあ、これは好きなものが仕事になったというよりは、仕事として既に存在しているものを好きになったというパターンです。遊びが仕事になったというパターンではないので、除外してもいいかもしれません。

総論

以上、好きなことをやっていたら仕事になるのかどうかについての考察でした。

仕事になりました! という事例を見ることは多いのですが、やはり偶然の産物というケースが多いと思います。好きなことをやるのは仕事になるかどうか考えず没頭する、結果として仕事になったらそれはそれでまあいいかぐらいに思っておくぐらいがいいと思います。